お金を稼ぐための絶対条件とは
まだ僕が営業マンだったころ、ある社長に聞いたことがある。
『精神論ではなく、具体的にお金を稼ぐのに必須なことって何ですか』
今思えばとても失礼だったなと思うが、その時の僕は頑張れという根性論や精神論に少し参っていたのだろう。
その社長は怒りもせずに教えてくれた。
『それはこの世の中にある稼ぐ方法を人より何倍も知っていることだよ』と。
当時の僕は、世間知らずを絵に書いたような営業マンであった。
簡単に言えば、稼ぐ方法を知らなかったのだ。
この言葉が染みたのは、後日電車に乗っていたときの事。
今でも覚えているが、お昼に次の営業先に行こうと電車に乗った時。
席の目の前には40代くらいの長髪で革ジャンの男性。
僕の横にはリュックを背負ったオタク風の人。
後ろにはリクルートスーツの女性。
普段であれば、自分のことで精一杯でまわりの事など目にも止まらなかったかもしれない。
だがその時の僕は、その光景に愕然とした。
きっとこの長髪の人も、オタク風の人も、何かをして稼いでいるのだ。
もしかしたらたまの休みかもしれないし、出勤途中かもしれない。
リクルートスーツの女性はこれから面接なのだろうか。
素直に、色んな人がいるんだなと感じた。
と同時に、会社から給料をもらうだけの自分は、まったく稼ぎ方を知らないなと思った。
ただ働いているだけで、分かった気になっていた自分が恥ずかしかった。
そして今になってやっと少々分かってきた。
稼ぐ方法を知っているということは、自分の能力をお金に変える方法を知っているということだ。
それだけでなく、生き方の選択肢も広くなる。
そうすると、普通の視点からでは見れないものが見え、また異なる稼ぎ方を知ることができる。
お金を稼ぐための絶対条件とは、この世の中にある稼ぐ方法を人より何倍も知っていること
現在社長になって思う。
僕を選んで仕事の依頼を頂ける社長は、僕に期待や可能性を感じてくれている。
それは、自分では思いつかない視点から僕がアイデアを出すからだろう。
でもそれはお金を生み出す方法を知っていなければ提案できない。
自分の力で稼ぐ時もそうだ。
つきつめれば、稼ぎたいのであれば、最低でも今の世間で稼げている方法が何か、そして自分のどの能力をお金に変えられるかを知らねばならない。
きっとこの社長が言いたかったことは、そういうことなのだろう。