スタッフのやる気の維持は、顧客を増やすより難しい
中小企業や個店の社長さんの悩みの上位に、スタッフの教育があります。
人とは不思議なもので、ある程度の規模の会社になると、集団意識が芽生え、スタッフ同士の競争や協調が自然とおきます。
しかし、小さな会社ではそうは行きません。
集団でさえ、働き蟻の法則よろしく、3割の人間はさぼるのです。
集団が小さければ小さいほど人は力を抜きます。
それだけではなく、小さい会社はスタッフ各人の責任の重さも大きいです。
社長との距離も近いのでプレッシャーもあります。
その他諸々が一緒くたになり、とにかくスタッフのやる気の維持は難しいです。
顧客への営業であれば、一瞬の営業力でカバーができますが、四六時中触れ合っているスタッフにはそうはいきません。
ではどのようにするのがよいのか。
1つは、経験者を雇うことです。
経験者が手を抜いたとしても、未経験者を雇うよりも遥かに仕事は進みます。
さらに、経験者の下に未経験者をつければ、教える立場になることで自然と責任感が生まれます。
もちろんそのためには、未経験者よりも好待遇、好環境が必要になるでしょう。
ですが、未経験の人を一人前に育てる最中に辞めてしまうことを考えると、そこまで損失は大きくはないのです。
2つは、その人のやりたいことをある程度黙認することです。
そもそも自ら望んで中小企業に入る人は、本音ではどの程度なのでしょう。
ほぼいないと思います。
そもそも望まない会社で面白くない仕事をさせられれば、嫌にもなります。
元来社長のあなたもそうだったから起業したのではありませんか。
100%利益が重要であれば、これは機会損失はなはだしいと言われるかもしれません。
しかし、スタッフを雇うということは、その人の人生を預かる、大きくはその人の家族まで預かるということです。
ですから、利益だけではなく、スタッフの人生を面白くしたり、人として育てていくということも重要だと僕は思っています。