恩を売っても仕方ない

年を重ねるごとに、交渉ごとや頼みごと、約束などの数が増えて行く。

スムーズに話が進めば問題ないが、中には約束を守ってくれなかったり、平気で不義理をする人間もいる。

初めから見分けがつけばいいのだが、そうもいかない。

特に約束を反古にする常習犯は決まって外面がいい。

交渉や約束の内容が軽いものであればまだ我慢もできよう。

だが、重要な場面で裏切られてしまってはこちらのダメージが大きい。

その時は、恩ではなく、弱みで対抗するとよい。

 

恩を売っても仕方ない。どうせ返ってはこないのだから。でも弱味は違う。弱味は握れば返ってくる。

 

『恩を売っても仕方ない。どうせ返ってはこないのだから。でも弱味は違う。弱味は握れば返ってくる』

これは人間の秘密の部分を仕事にする探偵業の社長からの言葉。

非常に説得力があった。

自衛のためにも、時には厳しい判断が必要かもしれないと考えさせられたエピソード。

騙されやすい人に向けた格言

僕は個人事業主からスタートして、法人や組合を設立した現在に至るまで、実に様々な社長に会ってきた。

そのたびに、成功したことや失敗したことを聞いている。

そして失敗したことの原因に『話が違った』『だまされた』という人的なリスクが多いと感じた。

失敗を経験してきた社長たちによく言われていたのは『人間は自分にプラスがないと動かない』という言葉だった。

 

人間は自分にプラスがあるか、何か思惑がない限り動かない。うまい話は、その人にとってのうまい話なだけ

 

かく言う僕も『話が違う』という失敗はたくさんしてきた。

先方からの話が違っただけで済むならまだしも、事務所に軟禁されて金銭を要求されたこともある。

仕事以外でも、例えば口が軽い人などもこの格言に該当するだろう。

スピーカーのような人は、その場の盛り上がりや支配欲を満たすためにオフレコの話を暴露してしまう。

だがもし、そこに自分の欲を満たせるようなプラスがなければ、意味なく暴露されるようなことは起きない。

元々いい人も、損をしたくないと思えば豹変することだって良くあるのだ。

自分が利用されやすいと感じる人は、自分に近づいてくる人にはウラがあるのではないかと警戒をして欲しい。

なぜなら何かの思惑があって近づいてくる人が多いからだ。

十分に心しなければならない。

親や友人など、掛け値なしで付き合える人は、宝物である。